TensorART で、Control Net の Canny(キャニー)の使い方を説明します。
Canny は画像から線画を抽出するツールです。
線画を抽出することで、元の構図を保ちながら色の塗り替えなどが可能。
イメージとしては「元画像をアップロード」→「線画抽出」→「プロンプトで色などを変更」といったことができます。
では、スマホからでも利用できる画像生成AIサービス TensorART での Canny の使い方を説明していきますね。
スポンサーリンク【Canny の使い方】
TensorART ウェブサイトをスマホ画面で操作説明していきます。使い方がわからないひとはまず、TensorART 使い方を読んでみてください。
※ローカル環境での Stable Diffusion Web UI や他の画像生成サービスとは操作が異なりますが、使い方や生成結果は参考になるかと思います。
まずは、元画像を用意します。
元画像は生成時のプロンプトがあるものを使うと、色の塗り直しの精度が増すのでおすすめ。
今回はこちらの画像を使用してキャラの色を変えていきます。
1.「Text2img」タブで、「Control Net を追加」をタップします。
2.「Canny 使用する」をタップします。
3.まず、「画像の前処理」になっていることを確認してください。
前処理器は「Canny」を選択しておきます。
「ファイルをドラッグ&ドロップするか、アップロードをクリック」の部分をタップして元画像をアップロードします。
4.画像がアップロードされると隣に線画が抽出されます。
「確認」をタップします。
5.元画像と違う雰囲気にしたいので、画像生成時のプロンプトを「金髪、青い目、茶色のスカート、夜空」に変更してみました。
ヒント:色をたくさん指定すると画像全体に悪影響が出るので、描きたい色は少なめにしたほうが無難です。
◆元のプロンプト(基礎プロンプト除く)
Long hair, half-up hair, black hair, brown eyes, lovely smile, white sweater, long navy skirt, downtown, walking, blue sky, winter,
↓
◆変えたプロンプト(基礎プロンプト除く)
Long hair, half-up hair, blonde, blue eyes, lovely smile, white sweater, (long brown skirt), downtown, walking, night sky, winter,
ネガティブプロンプトには、
EasyNegative,low quality,worst quality,out of focus,nsfw,
と入れておいてください。
6.Canny の強さを調整します。「1.0」で上手くいかない場合は少しずつ調整してみてください。今回は「0.8」で設定しました。他の設定は以下の通りですのでお好みで変更してみてください。
※シード値はランダムにしてあります。
7.「高解像度化(アップスケール)」の設定ではデノイズの強さを「0.3」と弱めに設定してみました。
上手くいかなかったら調整してみてください。
8.「ADetailer」の設定は以下の通り。
設定できたら「生成」をタップします。
9.生成リストに切り替わり画像生成されます。黒髪から金髪に色が変わりました。
10.完成した画像がこちら。他の色もそこそこ上手く塗れてるので雰囲気がガラリと変わりましたね。
11.画像を比べてみます。プロンプトの指定だけで構図を変えず、色の塗り直しができました。
今回はイラストからイラストを生成しましたが、リアル系のモデルで使うと「イラストからリアル系画像」も作れますし、その逆も可能です。
いろいろ試してみてください。
【線画を描き直して Canny で画像生成する】
Canny では、線画を抽出しますが、その「線画画像」をダウンロードして、ペイントソフトで加工して利用することも可能です。
線画をちょっと描き直して、新しい画像を作ってみましょう。
1.線画を抽出したところで、線画画像をタップして拡大。「長押しでダウンロード」できるようになっています。
長押しでダウンロードできない場合は「下向き矢印」のアイコンをタップするとダウンロードされます。
2.ダウンロードした画像は、黒背景に白い線で描かれた絵になっています。
3.お使いのペイントソフトで白黒反転させます。白黒反転の方法は「お使いのペイントソフト名 白黒反転」で検索してみてください。
4.髪を短くして右側の建物を消してみました。絵はテキトーでOK
AIの力でなんとかなるので、お好みの加工を試してみましょう。
5.TensorART に戻って、「Control Net を追加」から「Canny」を選択。
前処理器を「invert(from white bg & black line)」に切り替えます。
ヒント:invert は、ここでは反転という意味です。AIは黒い背景に白い線で絵を認識するため、ここでは反転させて読み込む動作を指示しています。
6.描き直した画像をアップロードします。「確認」をタップします。
7.加工画像に合うようプロンプトを描き直しました。
Bob cut, light brown hair, brown eyes, lovely smile, white sweater, long navy skirt, downtown, walking, dusk, winter,
(ボブカット、明るい茶髪、夕暮れ に変更してみた)
Canny の強さを調整、各種設定を行ったら「生成」をタップしてください。
8.髪が短くなり明るい茶髪に。夕暮れ背景も上手く描かれています。
9.元画像と構図は ほぼ同じですが、だいぶイメージの変わった画像が出来ました。
画像加工はスマホのお絵描き系アプリでできるので、筆者みたいに絵が下手でもAIが上手いこと描いてくれます。想像力を発揮してオリジナルの画像生成をしてみてください。
【前処理済み画像の使い方】
TensorART では、白背景に黒い線の画像をそのまま使えるため、あまり使い道はありませんが、黒背景に白い線画の画像(つまり前処理を行ってある画像)も線画として読み込むことができます。
↓こんな感じの画像。
1.「前処理済み画像」にタブを切り替えます。
2.アップロードして「確認」をタップします。
3.プロンプトや各種設定を調整して「生成」で、使うことができます。
4.生成完了。
黒背景の線画でも「前処理済み画像」のタブから画像生成できます。
【まとめ】
Control Net では Lineart(ラインアート)という同じく線画を抽出するツールがありますが、Canny は強力に線画を抽出するため、色の塗り替えに向いているツールだと感じます。
Canny で生成した画像は線がくっきり、はっきりしている印象もあるので、Canny と Lineart は線画の抽出具合を見て切り替えてみるのもおすすめかと。
Stable Diffusion Web UI だとプリプロセッサーとモデルの設定がわかりにくいですが、TensorART なら特に考えることもなく簡単に Canny が利用できるのがいいですね。
また、手描きイラストの色塗りにも使えるので、絵描きさんの中には「Canny の線画のほうが好み」という方はいそうですね。
Lineart のほうが新しい Control Net ではありますが、Canny もまだまだ使えるツールだと思います。
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