スマートフォンは今や私たちの生活に欠かせない道具ですが、アプリのルール等はAppleやGoogleといった巨大企業が決めてきました。
しかし、2025年12月18日から、そのルールが大きく変わりました。
「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」、通称「スマホ新法」です。
【動画】スマホ法解説動画「知ってる!?スマホ法」 | 公正取引委員会チャンネル
この法律は、私たちがスマホを「もっと自由に」「もっとお得に」使うための大切なルールです。
「何が変わるのかよくわからない」「法律なんて難しそう」「私には関係あるの?」など不安に思う方もいるでしょう。
でも大丈夫!
この記事では、スマホ利用者が「これを知っていれば大丈夫な3つのポイント」を紹介します。
Q&A形式でわかりやすく説明していきますね。
スポンサーリンク【スマホ新法で知っておきたい3つのこと】
スマホ新法が施行され、以下の3つの変化が起こることになりました。
これらは、特にiPhone(アイフォーン)ユーザーにとって特に大きな変化ですが、できればAndroid ユーザーも知っておきたいルールです。
1.アプリのダウンロード先が自由に選べるようになる!
【これから起こる事】
今までiPhoneのアプリはApple社のApp Store(アップストア)という公式な場所でしかダウンロードできませんでしたが、今後は第三者のアプリストアや、アプリ開発者のウェブサイトからも、直接アプリを入れられるようになります。
◆なぜそうなるの?
・独占の解消:これまでApple社がアプリの審査や配布を一手に握り、他の企業の参入を妨げていました。
・法律の目的:スマホ新法は、この状態を解消し、競争を促すことを目的としています。
◆技術的にはできるの?→ EUで同様の規制が先行し、技術的な対応は既に可能です。法律により、Appleはこの機能(アップストア以外からのアプリインストール)を提供することになります。
【知っておくべき注意点!】
この自由化によって、アプリの選択肢が広がる一方で、セキュリティのリスクが高まります。 Apple社のApp Storeは、アプリの品質や安全性について厳しく審査していましたが、外部のストアやウェブサイトから入れるアプリは、その審査を通りません。
◆サードパーティーのアプリはきちんと動くの?→ アプリ開発者の腕次第で、動作が不安定になったり、レイアウトが崩れたりする可能性があります。 EUでは、Appleはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)がないかを確認する「公証」(※1)は行いますが、これが安全性の完全な保証ではないことを理解しておく必要があります。
※1 公証(こうしょう):アプリにマルウェアなどの問題がないかを、Appleのシステムが機械的にチェックすること。従来の「審査」とは異なり、アプリの品質や内容までは保証しませんが、Apple製品にアプリをインストールする権利を得られます。ただし、スマホ新法が施行された際、日本でもEUと同じ『公証(Notarization)システム』を使う」という公式な決定はされていません。
2.アプリ内での支払い方法が選べてお得になるかも!
【これから起こる事】
ゲームなどでアイテムを購入したり、サブスクリプション(月額課金)に登録したりする際、これまではアプリからだと、AppleやGoogleの決済システムしか使えませんでした。
しかし今後は、第三者の決済システムを選べるようになります。
◆なぜそうなるの?
よく、「アプリから動画サブスクを契約すると月額利用料が高くなる」なんて話を聞いたことはありませんか?
実は、現在(スマホ新法適応前)はAppleやGoogleは、自社の決済システムを使う開発者から15%から30%という高い手数料を取っていたのです。スマホ新法は、この決済手段の独占状態を解消するための法律でもあるのです。
そうなると、第三者の決済システムは、AppleやGoogleよりも低い手数料(数パーセント程度)でサービスを提供できるようになります。
・ユーザーのメリット:開発者が安い決済システムを選べば、その分、アプリ内でのアイテムやサービスの価格を値下げできる可能性があり、最終的にユーザーが「お得」になります。
【知っておくべき注意点!】
・ユーザーが得をするのはこれだけ?→ 私たちが金銭的なメリットが直接得られる可能性が最も高いのは、この「決済方法の自由化」です。
ただし、もし価格が下がったとしても、その決済システム自体の安全性を自分で確認する必要があります。
また、決済システムが分散することで、情報の管理が複雑になる点も注意しておきたいです。例えば、別の決済手段を使ってトラブルが起きても当然、AppleやGoogleでは対処できません。
とはいえ、iPhoneユーザーだけでなく、Android ユーザーにもしっかりとしたメリットがある「知るべき情報」です。今後、スマートフォン用のサービスをお得に利用していくためにも覚えておきましょう。
3.標準ブラウザや検索エンジンを自由に選べるようになる!
【これから起こる事】
スマートフォンを起動した際に、ウェブサイトを見るための「標準ブラウザ」(※2)や、検索に使う「検索エンジン」(※3)を、Safari(サファリ)やGoogle Chrome以外のものから自由に選べる画面(チョイススクリーン)が表示されるようになります。
◆なぜそうなるの?
・技術的な自由化:これまでiPhoneのChrome(クローム)は、見た目こそChromeでも、ウェブページを表示する「中身のエンジン」はSafariと同じものに制限されていました。(※4)
・真のブラウザ競争:スマホ新法により、iPhoneでは、Chromeは独自の高性能なエンジンを使えるようになり、Safariとウェブページの表示速度や性能で真の競争ができるようになります。
◆SafariとChrome、どっちがいいの?→ どちらも非常に優れたブラウザですが、選ぶ基準は「何を重視するか」です。
一言でいうと、Chromeは「マルチデバイスで同期しやすく、ウェブの新しい機能に早く対応する」ブラウザです。一方、Safariは、「iPhoneの機能と深く連携し、消費エネルギーを抑えて安全性を高める」ことに特化したブラウザと言えます。
性能は互角といえますが、複数のデバイスを使っている人は、同期しやすいChromeを選ぶなど、自分の使い勝手に合わせて選べるようになります。
【知っておくべき注意点】
選択肢が増えることで、自分の好きなブラウザを選べるようになりますが、ブラウザに詳しくない人にはどれを使ってよいかわからなくなります。しかもスマホ新法では、理由なくおすすめブラウザを現わす表示を禁止するため(自社製品を不当に優遇する表示を禁止する)、本当におすすめを知りたいときに悩むことになるかもしれません。
使い慣れたSafariやChromeをそのまま使い続けるのもよいですが、他にもセキュリティやプライバシーに配慮したブラウザもあります。それを見極める知識と利用方法を覚えるのが難しいのではないかと思えます。
※2 標準ブラウザ:ウェブサイトのリンクをクリックしたときに、自動的に開くように設定されたアプリ(SafariやChromeなど)。
※3 検索エンジン:インターネットで調べ物をするときに使うシステム(Google、Yahoo!、Bingなど)。
※4 これまで、iPhoneのブラウザ(ChromeやFirefoxなども含む)は、AppleのSafariと同じ「WebKit」というレンダリングエンジン(※5)を使うことが義務付けられていました。 スマホ新法は、この制限をなくし、Googleの「Blink」やMozillaの「Gecko」といった他の高性能なエンジンをiPhoneでも使えるようにすることで、ブラウザ間の競争を促すことを目的としています。
※5 レンダリングエンジン:ウェブページの情報を解読し、画面に表示する役割を担う、ブラウザの「心臓部」となるソフトウェア。レンダリングエンジンが変わると、ウェブページの表示速度や正確性(レイアウトの崩れにくさ)に影響が出る場合があります。
【まとめ】
スマホ新法は、AppleやGoogleの独占を解消し、私たちユーザーに「選択の自由」と「価格のメリット」をもたらす法律です。
しかし、その自由には、アプリの安全性を自分で判断する「新しい責任」が伴います。
スマホ新法には他にも細かいルールがありますが、今回はわかりやすく解説するため、以下の3つに重点を置いて説明しました。
・自由さ(アプリストアの選択)
・お得さ(決済方法の選択)
・便利さ(ブラウザの選択)
この3つの変化を理解し、「外部からアプリを入れるときは、提供元が信頼できるか必ず確認する」という意識を持つことが、新しいスマホ時代を安全に楽しむための鍵となります。
この法律は令和7年12月18日に全面施行されました。
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